古き良き時代の機材

むかーしむかし、学生時代に音楽制作を始めた頃、
コンピューターがまだそれほど普及しておらず、
シーケンサーそのものが、機材として君臨していた頃でありました。


そしてそのシーケンサーといっても、
本当にわずかな音を記録するだけのもので
一曲分のベースラインを入れたら終わり、
しかも４，８分音符のみ、などという代物で、
マルチレコーディングなど夢のまた夢のようなもんでした。
（こういう話をするとなんか年がばれるんですが、ま、一応
私が打ち込み的多重的音楽制作に興味を持ったのは
学生時代といってもすでに小中学生の頃からだった
ということで・・・）


大体当時、打ち込みだの多重だのという制作そのものが
一般的でなく、そういう機材集めや一人バンドなどが好きな
オタク音楽家がデモテープ用に作る程度のものが
ほとんどだったようです。


というわけで、ワタクシもその例に漏れず、
盆正月に親戚を巡ってためた、なけなしの小遣いとバイトで
機材を買い、オーディオマニアの親の録音機（写真OpenDeck)
を借りてカセットデッキとの間を何度もいったりきたりしながら
せっせと音を重ねて曲作ってました。
（マルチ録音機買えよ、という話もあったのですが、
このDENONのOpenDeckは大変音が良く、けっこう何度か
ピンポンやってもそれほど音質が落ちなかったのであります）
世の中のアマチュア学生ミュージシャンはバンド一色で、
そんな一人で部屋に籠もって音作ってて
何が楽しいんだと非難されつつ・・・。


まーでもおかげさまで好きで頑なにやってたことが
いやいややっていた勉強よりは商売になっていて、
報われてよかったというものでございます。
でもそんなむかしの手作りの苦労や楽しさってのは
こんな便利な現在ではもうなかなか味わえないというか、
誰でもＤＴＭでお手軽に音楽できちゃってなんだかなーというか
・・・というよりも、今のわかーい人は
何の話をしているのかもわからなかったりして・・。
とほほほ・・・。


by sally